愛犬と歩くサンティアゴ巡礼は、精神を豊かにする体験となることでしょう。日常とは異なる景色や匂いを感じながながら巡礼路を歩くことで、あなたや愛犬にもいい刺激となり、これまで以上に愛犬との絆を深めることができます。
続いて、巡礼に関する不安を軽減し、愛犬と一緒にサンティアゴ巡礼の旅に出発するためのアドバイスや情報を紹介します。
愛犬と一緒に巡礼をする場合、巡礼路沿いでペット受け入れの宿がないという状況を事前に回避しましょう。
合わせて読みたい: 巡礼に必要な荷物は?
ご安心下さい。ピルグリムは、ペットと泊まれる宿の中でも特に信頼している宿泊施設をお手配いたします。
ペット同伴の巡礼の場合、宿探しが最も難しい点ですので、弊社へお問い合わせください。
愛犬とのサンティアゴ巡礼に関する情報を全て知りたい人は、この後も引き続きお読みください。
はじめに、脅かすわけではありませんが、次の点をご考慮下さい。 サンティアゴ巡礼は、平坦な道だけでなく、起伏のある道を進みます。 行動を共にすることで、愛犬とあなたに多くのメリットを生む体験となりますが、身体的にキツイ面があり、思わぬトラブルが起こった際は、愛犬とチームになって対応しなくてはなりません。
サンティアゴ巡礼の出発前
サンティアゴ巡礼前に、サリアなどまでの行き方など事前に情報を収集する必要があります。
体力づくり
巡礼を歩くあなたはもちろん、あなたの愛犬も巡礼を始める前にトレーニングが必要です。犬も疲れますし、筋肉痛にもなります。 カミーノを愛犬と楽しむためには、あなたも犬も事前の体力づくりが重要です。
巡礼開始の数カ月前から愛犬と一緒に長めの散歩に出かけましょう。
トレーニング方法
- 午前の早い時間に、1~1時間30分ほど早歩きで7㎞ほどの距離を歩きましょう。
- 再び、夕方2時間ほど、愛犬と一緒に早めのリズムで歩いてみてください。2時間ちょっと歩けば、15㎞ぐらいになるはずです。このようにして、毎日20㎞以上を歩くことになります。
- 土の道や石の多い道、車道と異なるコンディションの道を歩かせて、肉球を最大限に鍛えましょう。また、傷や打撲予防や肉球を固くする効果のある製品を塗ることもできます。
- 薬を使って、犬に寄生する虫を外や内から駆除しましょう。
- 森林の道を歩く行程もありますので、ノミ・ダニ予防の首輪をつけてダニなどから愛犬を守りましょう。
荷物の準備
サンティアゴ巡礼に必要な荷物について別の記事で説明していますが、ここでは愛犬に必要な荷物についてお話します。
愛犬との快適な巡礼のために、次に紹介する荷物をご覧ください。
持ち物リスト
- ペットに関する書類:
- ワクチン接種証明書や狂犬病予防注射証明書
- マイクロチップ装着の証明書や犬の健康手帳
- ハーネスとリード: 首輪で長時間の巡礼へ連れていくと、愛犬へ負担がかかりますので、負担を分散するためにハーネスとリードをおすすめします。 腰にウエストベルトを着けて、カニクロス(犬と一緒に走る競技) をするのも一つの方法です。
- 犬用レインコート
- 速乾タオル: ペット用のタオルをご準備下さい。
- 折りたたみ式水飲み: 水を保持する生地仕様で、使わない時はコンパクトに持ち運べるので非常に便利です。
- 食事: ドッグフード(品質よいものが好ましい)は、ジッパー付き保存袋に1食分に小分けにして持っていくとよいでしょう。
- フードボール: ドッグフードと他の食べ物を混ぜるため
- 犬用エチケット袋: 巡礼路は、山道や田舎道だけではなく都市部の道も通ります。飼い主の責任として排泄物処理をきちんと行いましょう。
- 犬用の靴: 愛犬の肉球保護に
- 肉球ケアクリーム
- 犬用マット: 万が一、愛犬が平原で寝る時の場合に
犬用クレデンシャル
2018年から、サンティアゴ・デ・コンポステーラまで巡礼した犬は飼い主と同じように犬用コンポステーラを獲得することができます。
カミーノ動物保護協会 (APACA) によるこのイニシアティブは、ペット同伴でカミーノを歩く巡礼者からの要望に応えたものです。同時に、アルベルゲへペット同伴の宿泊に関する問題意識を高めるためです。
カトリック教会のスタンプは押されませんので、犬用クレデンシャルは公式書類ではありません。しかし、こういった取り組みは、巡礼路内で起こる動物の遺棄や虐待といった問題に関心を持ってもらうための大きな一歩です。
クレデンシャル(巡礼手帳)と同様に、巡礼中に犬用クレデンシャルにスタンプを押してもらいます。サンティアゴへ着いたら、フランス人の道が通るフォンティーニャ通り27番地(R/ Fontiñas 27)でクレデンシャルをご提出ください。
料金や入手方法は?
犬用クレデンシャルは3€、巡礼証明書(Perregrina)も3€です。
クレデンシャルと証明書をセットで入手する場合は、5€です。
ガリシア
- APACAサンティアゴ・オフィスの住所: Rúa Fontiñas 27 全ての巡礼路
- Ecoespazo Vitriol(Sarria) フランス人の道
- Albergue San Lázaro(Sarria) フランス人の道
- Tienda Lucana(A Coruña) イギリス人の道
- Le Crepe da Pía Porta da pía nº8(Tuy) ポルトガルの道
- Michocán(Vigo) ポルトガルの道
- Albergue Ponte Ferreira, en Lugar O Carballal, 2, 27206 Ferreira, Lugo
アストゥリアス:
- Albergue Juvenil Castro, en Grandas de Salimeプリミティボの道
- Albergue La Payariega, en La Carda (Villaviciosa) 北の道
エクストレマドゥーラ (銀の道):
- 動物保護センター(Plasencia, Cáceres)
旅行エージェンシー (全ての巡礼ルート):
- ピルグリム: ご希望であれば、弊社から犬用クレデンシャルを入手できます。 是非、お問い合わせください。
巡礼の旅を計画!
情報提供や旅の計画に合わせたお見積りを無料でいたします。犬同伴のサンティアゴ巡礼に最適なルート
愛犬同伴でどのルートを巡礼したらいいのか迷われると思います。
ほとんどのルートを巡礼することが可能ですが、ペットと泊まれる宿も確認できているサリアからの巡礼をおすすめします。
愛犬が快適な場所で眠ることが確認できない場所はおすすめしません。
ペットと行くサリアまでのアクセス方法
サリアへの行き方 については説明していますが、ペット同伴での移動で知っておくべき情報を紹介します。
電車
- 近郊列車(Cercanías): 愛犬のサイズを気にせずに移動できる唯一の公共交通機関です。 リードに繋いだ状態で乗車し、10㎏以上の犬を連れている場合は犬用の口輪をつけなくてはいけません。近郊列車は、ペットは無料で乗車できるのも嬉しい点です。
- 中・長距離列車、AVE(高速列車)等: これらの列車に乗車可能なのは、10㎏以内の犬のみです。60x35x35cmサイズの容器に入れて下さい。このタイプの列車にペットを乗せる時、追加料金がかかる場合がほとんどです。
ペットと一緒に列車に乗って旅行する場合に必要な情報は、レンフェ(Renfe) のサイトをご覧ください。
バス
盲導犬以外の犬は、ケージに入れ、バスのトランクに乗せなくてはいけません。飼い主と一緒に座席スペースで快適に移動する代わりに、騒音の中、乗客の荷物とぶつかりながら移動する様子を想像してください。
愛犬にとって、バスでの移動が適した方法だとは思いませんが、上記の決まりになっていますので、予めご了承ください。
飛行機
格安航空会社は、機内持ち込みや受託荷物として預かりでも、ペットを乗せることができないのが普通です。
他の航空会社では、小型犬に限ってキャリーバッグ(合計重量は8㎏以内で、事前承認が必要)に入れて機内へ持ち込むことが可能です。この条件に当てはまらない犬は追加料金を払って受託荷物として乗せることになります。
ペットは、スーツケースなどの荷物とは別の空調がきいて騒音に悩まされないスペースに保管されるなど、昔よりも輸送環境は改善されています。しかし、ご利用する航空会社の条件等を事前にきちんと確認することをおすすめします。
車
ペット同伴の移動が最も楽なのは、カミーノの出発地点まで自分で車を運転していく場合です。
自分の自動車は無理でも、レンタカーを予約するのもひとつの方法です。
サリア・サンティアゴ間でペット受け入れ可能な宿
ペット対応不可の宿がありますので、事前に愛犬と泊まれる宿の手配が大事です。
宿泊施設リスト
- サリア(Saria): カミーノ出発地点でペットと泊まれる宿は次の通りです:
- ポルトマリン(Portomarín): アルベルゲ『El Caminante(エル・カミナンテ)』
- パラス・レイ(Palas de Rei): Pensión Maite『ペンシオン・マイテ』
- アルスア(Arzúa): アルベルゲ『Vía Láctea(ビア・ラクテア)』
- オ・ペドロウソ(O Pedrouzo): Pensión Codesal『ペンシオン・コデサル』
- Santiago de Compostela: 巡礼を終えて愛犬と共にゆっくり休みたいなら、『Hotel A Tafona do Peregrino(ホテル・オレオ)』をおすすめします。
宿泊施設の情報はあくまでも参考情報であり、巡礼の時期によって空き状況や価格は変更されますのでご注意ください。宿泊場所の手配に関するお問合せは、info@pilgrim.es までご連絡下さい。
巡礼中に…
愛犬が巡礼に耐える体力があり、装備も万全であれば、巡礼路を実際に歩き始めても毎日元気に起床し、あなたと巡礼の旅を続けることでしょう。しかし、歩く時に以下の点にお気をつけください。
犬はリード付き、それとも無し?
巡礼中にリードをつけるのか外しても大丈夫かと迷う瞬間があるでしょう。その時の状況や愛犬の行動によって一般化することは難しいですが…
巡礼中は必ずリードをつける、もしくは放しっぱなしの極論で考えることはおすすめしません。
巡礼路では、愛犬を放しても安全な場所もありますが、一般道の路肩を通る場合は、リードを短く持って側を離れないようにコントールしましょう。
もうひとつ考慮すべき点は、愛犬を日々の巡礼距離に徐々に慣らせていくことです。ペースを早くしすぎて犬が疲労しないようにしましょう。
巡礼を開始してから数日間は、 愛犬を放すとやみくもに走り回ってすぐに疲れてしまうため、リードをつけて歩くといいでしょう。犬はどのくらいの距離を歩くか分かりません。ある程度日数が過ぎると、愛犬自ら体力の消耗具合をコントロールしだすでしょう。
餌
巡礼をして体力を消耗するので、えさの量は増やしますが、なるべく同じものを与えることが望ましいです。
巡礼の途中で、愛犬が何も食べたがらない状況になる可能性もあります。その場合の解決方法は、休憩時に何らかの栄養補完食品(高栄養フードや、筋力アップや関節にやさしいもの)を与えるといいでしょう。
日々の行程を終えた後の食事は、ドッグフードに缶詰やパテなどのウェットフードを混ぜてあげるとよいでしょう。
ビタミンやL-カルニチン、電解質などを補給が必要な犬用の補助食品やサプリがあります。愛犬に最適なものはどれかを知るため、事前に獣医さんにご相談下さい。
水分補給
水分補給がいつでもできるように、常に十分な量の水を確保しておくのは基本です。
器に水を入れるために、犬専用の水ボトルを携帯します。こうすることで、愛犬がどのくらいの量の水を飲んでいるかをコントロールできます。水を無駄にしないよう少しずつ、しかしあなたと同様に愛犬も水分補給が必要ですのでケチることなるお水をあげてください。
木陰で休ませたり、こまめは水分補給は、熱中症予防に最も効果的です。
肉球のケア
毎晩、寝る前に専用のクリームを塗って、愛犬の肉球を保湿することが大切です。寝ている間にクリームの成分が浸透し、朝起きた時に再び巡礼の旅へ出ることができます。
もし犬用の靴を買う場合、大事なポイントは、アスファルトやコンクリート舗装の道を通る時に履かせるということです。
このタイプの道は、肉球のやけどなど深刻なダメージを与えます。アスファルトが長く続く道を通る場合、 最後の数キロは靴を履かせて歩きましょう。巡礼で長い距離を歩いていますので、肉球が再び柔らかくなりケガをしやすくなりますので予防策として履かせるといいでしょう。
肉球に擦り傷がないかなど、毎日足のチェックをします。 特に、靴を履かせたときに影響が出る5番目の指を注意してみます。
5番目の指に傷などを発見した場合は、治るまで数日かかりますので靴を脱がせましょう。
カミーノを終えたら…
サンティアゴへ到着したら、犬用のコンポステーラ(巡礼証明書)をもらいに市内にあるAPACAのオフィスへ向かいましょう。
愛犬と一緒に完結したカミーノは、一生に残る思い出となるのはもちろん、これまで以上に愛犬との絆が深まるきっかけとなるでしょう。
愛犬とのサンティアゴ巡礼に関するアドバイス、ここまで読んで疑問がクリアになったあなたの中で巡礼に出る意欲がさらに高まったのではないでしょうか。 巡礼の旅に出たくなったら、我慢せずに出発しましょう!
巡礼者よ、ウルトレイア(もっと先への意味)!