カリクトゥス写本とは?
カリクストゥス写本は、キリスト教で最も重要な書類のひとつで、サンティアゴ巡礼のガイドです。
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現在、サンティアゴ大聖堂内にて厳重に保護されていますが、昔はそうではありませんでした。
カリクストゥス写本は、キリスト教で最も重要な書類のひとつで、サンティアゴ巡礼のガイドです。
現在、サンティアゴ大聖堂内にて厳重に保護されていますが、昔はそうではありませんでした。
起源について不確かなところもありますが、この写本は5つの書と2つの付属文書に分かれ、200枚以上の羊皮紙で構成されています。何度も手書きで複製され、その中のひとつがサンティアゴ大聖堂で保管されています。
写本のオリジナルの場所や作者は不明です。専門家の多くは、フランスもしくはスペインで作成されたのではないかとしています。
5つの書の中でも最も重要で研究されている有名な巡礼案内記は、エイメリック・ピコーにより書かれたとされています。 しかし、作者についてはまだ議論されている部分があります。
付属の文書に、多声音楽に関する非常に貴重な資料があります。 多声音楽(ポリフォニー)を現代の楽譜形式で最初に記されたのがカリクストゥス写本でした。
写本を構成する5書、特に第1書で単旋聖歌の歌が集められています。
非常に重要なものであるにも関わらず、大聖堂の資料館にてその存在が忘れられていましたが、19世紀後半に再発見されました。
16世紀まで頻繁に使用されたため、再発見された時のカリクトゥス写本はかなり消耗していました。
発見したのは、大聖堂で当時古文書保管人をしていたアントニオ・ロペス・フェレイロでした。彼が本の修復も携わり、新たにカリクストゥス写本の存在が知られるようになりました。 古文書保管人や大聖堂の研究者たちの保護のもと、カリクストゥス写本は800年以上保管されました。
2011年、カリクストゥス写本は、大聖堂の金庫から盗まれました。 2012年7月、警察は捜査の結果、犯人は大聖堂内部のメンテナンスを20年以上担当していた電気技師でした。彼の自宅から、大聖堂から盗んだ金や書類等が発見されました。
カリクストゥス写本盗難のニュースは、スペイン国内で取り上げられカリクストゥス写本への関心が高まりました。大聖堂へ無事返却された後、移動展示会が開かれました。
サンティアゴ大聖堂にて厳重に保管されているカリクトゥス写本ですが、今に至るまでこの歴史文書の謎を全て追究できた専門家はいません。