フランス人の道をおすすめする理由
フランス人の道は、ヨーロッパ内の文化や人の共存、そしてヨーロッパの概念の形成に大きく寄与したとし、2004年にアストゥリアス皇太子賞を受賞しました。 サンティアゴ巡礼で 最も標識が完備したルートです。一部、巡礼者を自分の店へ誘導するために本ルートから道へ外すための矢印をつける飲食業者もいますが、巡礼者が利用できる公営アルベルゲやサービス網が充実している道です。それ故、夏の巡礼ピーク期には、この道を巡礼する人の数が大幅に増加し、次の行程にある公営アルベルゲのベッドを確保するために、夜明けから早々と出発し競争化している状況があります。
巡礼路には宗教心を持って歩く者、精神性を求める者、個人的な挑戦のために歩く者、様々な想いを抱いて歩く巡礼者が集まります。川のせせらぎの音が心地より緑豊かな道もあれば、巡礼路沿いにはロマネスクやゴシック様式の教会やテンプル騎士団の城に修道院と異なる美術様式の建物を訪れることができます。 中世の伝説やケルト文化の魔法など、沢山の要素が集結したのがサンティアゴ巡礼であり、誰もが一度は経験するべき素晴らしい体験です。
このルートはサン・ジャン・ピエ・ド・ポーを起点としていますが、巡礼者の間で最もポピュラーな出発地点は、ロンセスバジェスとサリアです。ロンセスバジェスから出発する主な理由は、フランスとスペインの国境にあるピレネー山脈の峠越えを避けるためです。 もう一つの出発点であるサリアが選ばれる理由は、この町が巡礼証明書(コンポステーラ)の獲得条件である最後の100㎞を満たす場所だからです。サリアからの巡礼は、5日間と短い期間で歩けるため、限られた時間でカミーノを楽しみたい人に支持されています。
歴史
中世の時代、聖ヤコブの墓があるサンティアゴを目指す道が最大の巡礼路となると、 当時のキリスト教国の王や影響力のあった修道院がフランス人の道を奨励したころから、ヨーロッパ中で最も有名な巡礼路と認知されるようになりました。巡礼路だけでなく、経済・社会的レベルで最も重要なルートとなりました。 さらに、巡礼路沿いには建設された教会や修道院などは、現在では貴重な歴史文化遺産となっています。 ポンフェラーダからのカミーノ を巡礼する場合、十字軍の城などの遺産を見ることができます。
フランス人の道は歴史文献による立証が最も多い道です。サンティアゴ巡礼の最初のガイドブックとされる1135年に書かれたヤコブの書の第5巻には、巡礼路が持つ文化・宗教的な豊かさだけでなく、観光の見所についても記述しており、当時の巡礼者はヨーロッパの各主要都市からサンティアゴまでの各行程に関する情報を収集することができました。
現在、
フランス人の道はサンティアゴ巡礼の中でとりわけ認知度が高く、世界的に最も有名で巡礼者に歩かれているルートです。(2015年の巡礼者数は26万人以上)巡礼路が通る町への経済効果も大きく最も整備されている道でもあります。 イベリア半島の北部を通る760kmのルートは、通常フランスのサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから出発して31日で歩くことができます。
すでに11世紀から巡礼者は数々の障害を乗り越え、巡礼者の巡礼を続けた通過した後に、文化・芸術・社会的発展に寄与しましたが、 フランス人の道の最も大きいブームは1993年の聖年から始まりました。欧州評議会による最初のヨーロッパ文化の道宣言やユネスコによる世界遺産登録の援助もあり、観光資源としてサンティアゴ巡礼が重要な復活を果たしました。
主要な巡礼出発地点
フランス人の道の行程
行程 |
経路 |
Km |
インフォメーション |
行程1 |
サン・ジャン・ピエ・ド・ポー(Saint Jean Pied de Port) – ロンセスバジェス(Roncesvalles) |
24,2 |
|
行程 2 |
ロンセスバジェス(Roncesvalles) – スビリ(Zubiri) |
21,4 |
|
行程3 |
スビリ(Zubiri) – パンプローナ(Pamplona) |
20,4 |
|
行程 4 |
パンプローナ(Pamplona) – プエンテ・デ・ラ・レイナ(Puente de la Reina) |
23,9 |
|
行程 5 |
プエンテ・デ・ラ・レイナ(Puente de la Reina) – エステージャ(Estella) |
21,6 |
|
行程 6 |
エステージャ(Estella) – ロス・アルコス(Los Arcos) |
21,3 |
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行程 7 |
ロス・アルコス(Los Arcos) – ログローニョ(Logroño) |
27,6 |
|
行程 8 |
ログローニョ(Logroño) – ナヘラ(Nájera) |
29 |
|
行程 9 |
ナヘラ(Nájera) – サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ(Santo Domingo de La Calzada) |
20,7 |
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行程 10 |
サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ(Santo Domingo de La Calzada) – ベロラド(Belorado) |
22 |
|
行程 11 |
ベロラド(Belorado) – サン・フアン・デ・オルテガ(San Juan de Ortega) |
23,9 |
|
行程 12 |
サン・フアン・デ・オルテガ(San Juan de Ortega) – ブルゴス(Burgos) |
25,8 |
|
行程 13 |
ブルゴス(Burgos) – オル二ジョス・デル・カミーノ(Hornillos del Camino) |
21 |
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行程 14 |
オルニジョス・デル・カミーノ(Hornillos del Camino) – カストロへリス(Castrojeriz) |
19,9 |
|
行程 15 |
カストロへリス(Castrojeriz) – フロミスタ(Frómista) |
18,8 |
|
行程 16 |
フロミスタ(Frómista) – カリオン・デ・ロス・コンデス(Carrión de los Condes) |
18,8 |
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行程 17 |
カリオン・デ・ロス・コンデス(Carrión de los Condes) – テラディジョス・デ・ロス・テンプラリオス(Terradillos de los templarios) |
26,3 |
|
行程 18 |
テラディジョス・デ・ロス・テンプラリオス(Terradillos de los templarios) – ベルシアノス・デル・レアル・カミーノ(Bercianos del Real Camino) |
23,2 |
|
行程 19 |
ベルシアノス・デル・レアル・カミーノ(Bercianos del Real Camino) – マンシジャ・デ・ラス・ムラス(Mansilla de las Mulas) |
26,3 |
|
行程 20 |
マンシジャ・デ・ラス・ムラス(Mansilla de las Mulas) – レオン(León) |
18,5 |
|
行程 21 |
レオン(León) – サン・マルティン・デル・カミーノ(San Martín del Camino) |
24,6 |
|
行程 22 |
サン・マルティン・デル・カミーノ(San Martín del Camino) – アストルガ(Astorga) |
23,7 |
|
行程 23 |
アストルガ(Astorga) – フォンセバドン(Foncebadón) |
25,8 |
|
行程 24 |
フォンセバドン(Foncebadón) – ポンフェラーダ(Ponferrada) |
26,8 |
|
行程 25 |
ポンフェラーダ(Ponferrada) – ビジャフランカ(Villafranca) |
24,2 |
|
行程 26 |
ビジャフランカ(Villafranca) – オ・セブレイロ(O Cebreiro) |
27,8 |
|
行程 27 |
オ・セブレイロ(O Cebreiro) – トリアカステラ(Triacastela) |
20,8 |
|
行程 28 |
トリアカステラ(Triacastela) – サリア(Sarria) |
18,4 |
|
行程 29 |
サリア(Sarria)-ポルトマリン(Portomarín) |
22,2 |
|
行程 30 |
ポルトマリン(Portomarín) – パラス・デ・レイ(Palas de Rei) |
24,8 |
|
行程 31 |
パラス・デ・レイ(Palas de Rei) – アルスア(Arzúa) |
28,5 |
|
行程 32 |
アルスア(Arzúa) – ペドロウソ(Pedrouzo) |
19,3 |
|
行程 33 |
ペドロウソ(Pedrouzo) – サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela) |
19,4 |
|
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ブルゴス大聖堂
13世紀に建築が始まったゴシック様式の教会は、尖塔を冠する素晴らしい塔が特徴的です。
レオン大聖堂
11世紀、アルフォンソ9世の命によりローマ時代の遺跡の上に建設されました。 現在、スペインにおける中世研究の中心地となっています。
プエンテ・ラ・レイナのロマネスク様式の橋
11世紀に建立された橋が架かるプエンテ・ラ・レイナの町の素晴らしい景色をお楽しみください。
アストルガ
フランスから続く道の中で最も歴史のある町のひとつです。 アストルガの旧市街にある歴史的建造物をぜひご覧ください。